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海外でウケる日本のネタ

日本のアニメの世界

海外で「日本人です」と言うと頻繁に話題に上がるのが日本のアニメだ。下手に「私もあのアニメ好きだよ〜」などというと、海外の熱烈なファンのマシンガントークの餌食になる。香港人の同僚と話をしていたら、ちびまる子ちゃんやドラえもんはもちろん、アラレちゃんやヤッターマン、オレンジロードなど、私が知らないアニメですらよく見ていたと言っていた。広東語に訳されて、テレビで放送されているらしい。カナダ人の友達は、ハンターハンターと犬夜叉の手の込んだコスプレで、友達とコスプレサミットに参加した写真を見せてくれた。今回は、なぜこんなに日本のアニメが世界に浸透しているのか、その秘密を探っていきたい。

海外でも浸透している言葉”anime”はオックスフォード辞典に載っている

まず日本のアニメは本当に世界で有名なのだろうか?”anime”という言葉がオックスフォード辞典に載っている時点でこれらが有名なのは自明だが(そもそも日本のアニメをディズニーアニメなどと区別するために作られた語)、今回はその統計に注目してみたい。

アニメ産業市場の海外売上は2012年からうなぎ上りで、2018年には9,948億円を記録している。日本のアニメの契約作品数を国別で見てみると、トップスリーはアメリカ、韓国、台湾で、なんとその数は150以上である。地域別に見ると、アジアが40%、欧州が25%、北米が20%である。逆にあまり日本アニメが浸透していない地域は、東欧、中東、北欧、アフリカ、中南米などの地域であり、まだまだ拡大の余地があると言える。

なんとなく海外でも、地域によっては知名度が高いということがわかったが、コンテンツでは一体何が人気なのだろうか。日本のアニメと一括りにしているが、となりのトトロから「君の名は。」、ワンピースからラブライブ!と、そのジャンルは多岐に渡る。次はアニメ映画の興行収入のランキングに注目して、どのようなジャンルが人気なのか、それらがなぜ人気なのかを明らかにしていく。

スタジオジブリが世界でも大人気

世界歴代興行収入トップスリーの日本のアニメ映画は、君の名は。、千と千尋の神隠し、ハウルの動く城である。上位50位以内の作品の興行収入をジャンル別に足してみると、ジブリ(10USD)、ポケモン(5.5億USD)、ドラえもん(4.3億USD)、新海誠アニメ(3.5USD) 、コナン(3.1億USD)である。ポケモン・ドラえもん・コナンは漫画やゲームなどで一定のファンを獲得しているというのが、上位に食い込む大きな理由であると言える。これを鑑みると、日本のアニメ映画で注目すべきはジブリと新海誠アニメである。

圧倒的1位のスタジオジブリは、2022年夏にジブリパークのオープンを予定している。既に東京にある三鷹の森ジブリ美術館では、1ヶ月先のチケットが発売されてからすぐに売れてしまうという盛況ぶりで、パークへの需要は非常に高いということができるだろう。新海誠アニメに関しては、注目され始めたのは、代表作の一つである「秒速5センチメートル」が上映された2007年である。ジブリの最初のアニメ「天空の城ラピュタ」が1984年、最初の劇場版ポケモンが1998年に上映されたのと比べると、ずいぶん若いということがわかる。アメリカの雑誌「Variety」は2016年に、新海誠を注目すべきアニメーター10人のうちの一人に挙げており、アニメで描かれている景観や空の精緻さを賞賛している。

「クールジャパン」の仕掛け人である経済産業省の狙いとは?!

しかしコンテンツが良いという理由だけでは、ここまで世界に広がりを見せるのはなかなか難しい。実はこのアニメ人気には後ろ盾がいる。それが「クールジャパン」である。これは何も「今まであまりプロモーションやってこなかったし、ちょっとやってみるか」と始まったわけではない。

クールジャパンの仕掛け人である経済産業省の狙いは、「内需の減少を見越した海外需要の獲得」という割と鬼気迫ったものである。これを噛み砕くと「少子高齢化はどんどん進むし、もう日本でモノは売れない。それなら海外だ。運良く日本には売れそうなコンテンツもいっぱいあるし、これで日本=クールという印象を持ってもらって、日本の商品買ってもらおう・日本に来てもらおう!」というところだろうか。このように国が軍事力などのハードパワーに頼らず、文化などに対する支持を得ることにより国際社会からの信頼を獲得しうる力のことをソフトパワーという。

世界の30カ国を調査したThe Soft Power 30 Report 2018で日本は、政府の狙い通りトップ5にランクインした。2015年の8位から、オーストラリアやカナダ・スイスを押しのけ、1位ずつ順位を上げてきた結果である。政府の予算にもクールジャパン関連予算というのが含まれており、その額は約460億円にも上る。クールジャパンへの批判もあり、まだまだ成長の余地はあるが、海外の人の日本への印象を見ると概して成功していると言えるだろう。

英語で日本のアニメを説明すると

日本のアニメが理由なしに人気になっているわけではないことがお分かりいただけただろうか。では最後に、以上の内容を踏まえて英語で日本のアニメを説明してみよう。

The word “anime” was created to differentiate a style of Japanese animation from Western-style animation and it is typically aimed at adults as well as children. In 2018, the international sales of Japanese anime marked nearly 9.2 billion USD. The most successful Japanese anime is “Your Name” by director Makoto Shinkai, which made 0.35 billion USD in only 3 years, chased by a studio ghibli anime, “Spirited Away”, which made 0.33 billion USD. Why is it so popular? The answer is in “Cool Japan”. “Cool Japan” is an initiative by Japanese government that aims to boost the soft power of Japan. They put 0.42 billion USD as “Cool Japan” related budget in 2019. There are still some space to criticise “Cool Japan”, but overall, it seems successful.

ぜひアニメマニアの海外の友達とアニメ議論を交わしてみてはいかがだろうか。